これが本当のダニ退治! |
アレルギーを起こすダニって? |
アレルギーを起こすダニって? |
最近はダニがアレルギーを悪化させる原因の一つとして、ひろく認知されてきていますよね。何もしないでいると、1平方メートルあたり1000〜2000 匹はいると言われるダニ。ダニの大きさは、約0.2mm位で目に見えないので普段は気になりませんが、これだけいると聞かされるとゾッとしませんか? 「ダニダニって言うけど、私そんなに刺された痕もないし、猫も犬も飼ってないし、よく掃除もしてるし、うちにはいないわよ」っておっしゃる奥さま。 そうじゃないんですよ。 普通、アレルギーを起こすダニは人の血は吸いません。血を吸うのはツメダニという肉食性のダニで、アレルギーを起こすのはチリダニというダニなのです。日本には100種類以上のダニがいると言われていますが、アレルギーに関与するチリダニのダニのうち、ヒトの皮膚から発見されたヒョウヒダニが代表的な種で、この中のヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニが特に問題なのです。 |
チリダニとアレルギーの関係 |
卵からかえったチリダニは、なんと3週間くらいで成虫になって、毎日2〜3個の卵を産続け、1匹のメスは約100日の一生のうちに、50個程度の卵を産みます。ただし、餌の問題もあるので爆発的には増えないでしょうけど、いずれにせよ手をこまねいて見ているだけでは大変なことになりそうでしょう? じゃあ、チリダニがどれくらい悪さをしているかというと、当院へ来られ右20歳未満のアレルギー性鼻炎の患者さんのうち、チリダニが原因の人は 80〜90%近くになります。 もちろん、他の原因、例えばカビや花粉が原因の人や、数種類のものに対して反応する人もおられます。 当院のデータでは、花粉が原因(スギ、ヒノキ、カモガヤ、ヨモギ、ブタクサなど)のアレルギー性鼻炎の患者さんは30歳代から増加していますが、逆にこの年代ではチリダニが原因となる割合は年齢と共に減少しています。 こう書くと、年をとればそのうちチリダニのアレルギーが起こらなくなるのでは?と思ってしまいますが、実はそうではありません。これは、あくまでも初診の患者さんのことですから、20歳未満でチリダニアレルギーのある人は、一度獲得したアレルギーを持ち続けるのです。まあ、確かに年老いて免疫能が低下するとアレルギーも起こらなくなるでしょうけど・・・。 気管支喘息の場合でも、特に小児では90%近くがチリダニが原因です。アトピー性皮膚炎の場合は、アレルギー性鼻炎や気管支喘息と違いダニが根本原因となることはないでしょう。しかしアトピー性皮膚炎の根本的な原因ではなくても皮膚炎を悪化させる増悪因子としては大変重要なものと考えています。 じゃあ、チリダニの何がアレルギーの原因になるかというと、一番強いアレルギー反応を引き起こすのは排泄物(特に糞)です。 生きているチリダニそのものも問題ですが、これらの死骸やそれが細かく壊れて粒状になったものの方が、アレルギーを起こしやすいのです。 その理由の一つに、気管や鼻に吸い込まれる粒子の大きさと関係があります。ヒトの呼吸に関係した部分の粘膜は、粒子の大きさが1000分の5mm以上(5μm)だと、その粒子は鼻の穴で捕まえられて、喉頭(こうとう:声帯のあるところ、のど仏の裏のあたり)より深いところへは進入できないような仕組みになっています。 生きているチリダニは約0.2mmですから(200μm)、ヒトの粘膜のフィルター機能で捕まえられ、そのままでは気管や気管支へはたどり着けないのです。 ちなみにスギ花粉の直径は約30μmですので、やはり鼻炎症状が強く、喘息の症例は少ないのです。 |
チリダニと人の親密な関係 |
「うちは、アレルギーの家系でもないし、チリダニがアレルギーの原因なんて、掃除の仕方が悪いんでしょ」と思った奥さま。 実はそうじゃないんですよ。 基本的には、アレルギーのある家庭と、アレルギーのない家庭でチリダニの数に差はありません。問題は、そこに住んでいる人の、チリダニへの反応のしやすさです。 高岡正敏氏(埼玉県衛生研究所生物環境科)の実験住宅での研究では、「人が住んでいない状態では、チリダニはほとんどいないのに、人が住むようになると、チリダニが急激に増加して、人が住まなくなると、またチリダニが減少した」そうです。 つまり、チリダニが増える事と、人の生活とは密接な関係があるのです。その理由は、このチリダニが人のふけや、髪の毛、食物のカスなどを餌にしているからです。 ねぇ、わかったでしょう。家の中はこまめに掃除をしましょう! また毎日、照明器具の傘やテレビの上は水拭きも忘れないでね。 あぁ、それからとっても大切なことを忘れていました! あなたのソファーにはダニが一杯! |
どんな布団にチリダニが多い? |
実際にアレルギーがある人の家のいろんな種類の布団に付いているダニの中ではチリダニが一番多く、これは夏から秋に増え、布団の素材によるチリダニの数は、 綿≧羽毛>ポリエステル>羊毛>高密度繊維カバー布団 の順だったそうです。ときどき、 「羽毛布団は喘息にいいんですよ!」 などと言って訪問販売にやってくるおじさんがいますが、とんでもない大嘘と言うことです。この訪問販売には、私も出会ったことがあります。この方たちにも生活がかかっているのでしょうが、 「羽毛布団を使ったら、ダニなんか付かないから喘息なんかすぐ治りますよ。」 と言うのには、辟易します。 |
喘息発作・・・かわいい孫への思いやり? |
喘息治療をしていると面白いことに気づきます。 喘息の発作で受診するお子さんの中に、おばあちゃんの家に遊びに行ったとき、長い間ご無沙汰だった喘息発作が突然出てきてしまったという方が多数見られます。 これはどう言うことかというと、少し涼しくなってタオルケットや夏布団では風邪引くかなと思って、押入にしまっていた厚い布団をそのまま使ってしまったとか、帰省先のおばあちゃんが一応布団を干してくれたんだけど、ダニ処理が十分でなかったためと思っています。 私も、年に何度か実家に帰りますが、前の日にちゃんと実家の母が布団を干しておいてくれているのに、やはり寝ようとするとクシャミが出て、鼻が詰まって、最後には咳が出てきます。 最近では、実家に帰ると皮膚が痒くなるため夕食後に抗アレルギー剤を飲んで寝ることもあります。 私自身が喘息とアトピー性皮膚炎があるので経験的によくわかるのですが、どうも居間にいる時よりも寝室に入るとクシャミが出たり、鼻が詰まって咳が出てくるという反応が起こります。何となくダニは寝室、特に寝具に多いと言うのは納得できます。 まず、自分が寝る時のことを思い出して見て下さい。かけ布団を持ち上げて、滑り込みますよね、この時にホコリやダニが舞い上がって、しばらくすると落下してそれを吸い始める。そうしてしばらくするとクシャミや咳が出てくる。 つまり、敷き布団より掛け布団が問題なわけです。当然、鼻や口に近い枕の中身にも気をつける必要がありますが・・・。 |
床の違いとチリダニの関係 |
家の床の違いとダニの数との関係は、 絨毯>畳>フローリング の順にダニが多いのですが、その理由として絨毯は毛が長くて湿気が溜まり易いので掃除をしても、なかなかチリダニを除去できないからです。 フローリングだと一度チリダニを除去すると、ホコリさえこまめに掃除しておけば、なかなかダニが増えにくいという利点があります。畳だと、表面のチリダニやホコリは掃除できても、湿気の問題があるので完全に除去するのは難しいようです。 畳の上に、絨毯やカーペットを敷くと、非常に湿気が溜まりやすくなってしまうので、チリダニの繁殖には好条件となります。どうぞカーペットや畳は避けて下さいね。 |
ダニは湿気があると増えます! |
温度25〜35℃、湿度65〜85%がダニの最適な繁殖条件とされています。少し暖かくて、蒸すような気象条件で良く繁殖すると言うわけです。 天気のよい日には窓を開け、風通しをよくして、部屋に熱や湿気がこもらないようにしましょう。また、冬には暖房をあまり強くしないように、梅雨時期には除湿をするとよいですよ。 ダニを退治するためには、まずダニがどういう条件で繁殖するのかという事を知って、それを逆手にとればいいのです。 ダニの一番の弱点は、湿気がないと生きていけないので、乾燥に弱いことです。 このことを裏付ける事実として、私がまだ小学生の頃、夏になると大掃除と言って、家中の畳をあげて天日に干し、下水がなかったので殺虫剤を側溝にまいたりするとっても嫌いな行事がありました。 また、家と言えば、田舎育ちでしたので基礎は今と違って風通しが良く、障子・襖の間仕切りしかなく、欄間や床下からすきま風が舞い込んでくるよう家でした。そんな家だったので、冬に窓が結露するなんて事はありませんでした。 ところが、現代の家は各部屋がピシッと仕切られ、その中でストーブやファンヒーターをつけて石油を燃やして水と二酸化炭素を出し、それでも喉が痛いからって換気をせずに加湿器をつけたりする家庭が多いようです。お陰でアルミサッシの窓には水滴がびっしり、畳やカーテンにはカビがはえたりしていませんか?。 私が以前住んでいたアパートは、外から見ると新築ののとっても感じの良さそうな建物でしたが、私たちの部屋は北側で、しかもコンクリートに直接壁紙が貼られ、畳も同じように敷いてあったため、冬になるとアルミサッシと接していた畳やカーテンは結露でぬれ、暖房のためにカビがびっしり。 ある日、息子が幼稚園の友達を連れて来て、 「ほらうちの畳はすごいでしょ。キノコがはえてるよ」 と言っているのを聞ききがエッと思って覗いてみると、 ほんとにキノコが・・・。(^_^;) 布団は、よく晴れた日を選んで干しましょう。 |
日本の家の断熱化と湿気 |
アレルギーに重要な役割を果たすダニ・カビと住宅の構造に関連があることは、もう判って頂けたと思います。そこで、ダニの住みにくい住まいと言うのはどういうものなのか、具体的な方策はあるのかについて考えてみたいと思います。 一番の問題は結露だと思います。下手に気密化するとひどい結露を招くため、断熱化が必要となります。 坊垣和明氏(建設省建築研究所)の研究によると、1980年頃の都市整備公団の建築し団地などは、気密性を示す床面積当たりの相当開口面積という単位(cm2/m2)で言うと5cm2/m2以下と言うものですが、最近は2cm2/m2以下にまで達しているそうです。 それなのに私たちが生活で出す水分は、決して減っていないのです。 つまり、住宅は高気密になっているため、湿気の多い日本では家の中に水分が溜まりやすくなります。暖房でも普通の石油ストーブやファンヒーターなどの開放形の暖房器具では、1リットルの石油を燃やすことで同じだけの水が出来るわけです。 石油は主に炭素(C)と水素(H)から出来ているので、これが燃えると空気中の酸素と結合して炭素からは二酸化炭素(CO2)が、水素からは水(H2O)ができるので、当然の結果ですが。 従ってこの湿気をどうす処分するかが、重要なポイントとなってきます。 また、暖房に灯油を使うなら、出来るだけ強勢排気の物を選んで、排気ガスや水分が室内に出ないようにした方が良いでしょう。 |
家全体を換気するには・・ |
これからの住宅について坊垣氏は次のように提言されています。 高気密住宅(気密性能が2cm2/m2程度)の場合は、2階建てでもダイニングキッチンの換気扇だけで家全体が換気できるそうです。 気密性が悪い住宅(10cm2/m2程度、これは在来木造工法に相当するようです)で充分な換気をするには、各部屋に換気扇を着ける必要があるようです。 その中間の住宅(5cm2/m2程度)の場合、2階建てだと1階は換気が充分でも、2階部分には効果が及ばないため、2階にも換気システムが必要なのだそうです。 氏は、各部屋にダクトで給排気するシステム(給排気セントラルシステム)が理想的と提言していますが、もう少し低コストの排気セントラルシステムを導入する際は、各部屋の空気の流れが良くなるように、扉の下の部分を格子にしたり隙間を作るアンダーカットを作って、外気を取り入れるための吸気口を各部屋に作るのがベストとしています。 さらに、氏はこの様な気密住宅の場合、換気扇を節電のために止めると逆に空気循環が非常に悪化するので、24時間連続運転が必要とも言っています。 |
部屋の結露をどうする? |
冬になると窓に水滴がつきますが、これを結露といいます。結露が出来る理由は、カーテンと窓の間の空気が外気温で冷やされて、空気中の水分保有量が低下して(湿度の飽和点を越える)、空気中に浮かんでいた水分が窓ガラスに着いてしまうのです。カーテンをしなければ結露は減るでしょうが、現実には無理な話ですよね。 結露対策として、二重窓にして元々のアルミサッシの下に結露受けの溝型の皿をとりつけるといいかも知れません。でも、もう既に家を建ててしまった人には、アルミサッシの内側に木製の枠をとりつけて障子窓にするとか、家電メーカーのカタログに載っている冬期結露防止用の小型熱交換型換気扇をとりつけるとかいろいろ工夫が必要です。 ただ、残念ながら結露は日本の場合温度差によるよりも、室内の空気そのものの湿度が高いことが主な原因ですから完全な防止は困難でしょう。そうすると、出来るだけ湿度を上げないようにする事が重要となってきます。 生活行為による水蒸気発生量をまとめた(財)住宅・建築省エネルギー機構の結露防止ハンドブックによると、人が座っているだけで1時間に50〜100gの水分を出し、灯油を 1L燃やすと1100gの水が出るそうです。また、朝食・昼食の支度をするとそれだけでも 400〜500g、夕食の支度で1000〜1200g、やかんを沸騰させて蓋を取っておくと1300 〜1800gほど、観葉植物1本から1時間当たり10gの水分が室内に出るそうです。これで 加湿器などを使えば、高気密住宅であればさらに湿気がたまると言うわけです。 これらのことから分かるように、今の住宅は機密性が高いために年中快適な温度に保つことが出来るのですが、その結果湿気も家の中に溜め込むようになってしまったと言うことです。先程のダニの好む環境を見て下さい。湿度が高いことを除けば、およそ人の好む環境に近いでしょう? |
簡単な畳の干し方 |
畳を干すと、夏の直射日光で2〜3時間干せば、畳の表面は60度近くになります。でも、内部は30数度程度にしか上がらないようです。 普通ならこの状態で、2時間頑張ればダニは殆どが死滅するでしょう。 ところがダニの方も、暑くなれば当然涼しいところへ避難しますから、これだけでダニが全滅することは期待できないようですね。そうは言っても、畳に湿気があるとダニが増えやすくなりますから、畳を乾燥させるという作業はある程度有効な方法かも知れません。 しかし、ダニが死んでしまえばアレルギーは心配ないかというと、その死骸や排泄物を吸ってもアレルギーは起こるので、よくはたくのも重要です。 と言いながら、こんな事を言うと叱られそうですが、はたくだけではダニやダニの死骸や排泄物は取り除けません。 それに、今時こんな事が出来るほど住宅事情は良くありませんよね。家具は一杯だし、ベランダじゃ畳は干せないし、例え干せてもバタバタはたいたら近所迷惑ですよね。 そうであれば、取りあえず出来ることをやりましょう。つまり、畳を全部上げるのが無理なら、天気の良いさわやかな風の吹く日に窓を全部開けはなって端っこをめくって、空き缶をかませておきます。これで少しは乾燥するでしょう。 |
布団乾燥機の上手な使い方 |
冬に雪が降る、北陸だとなかなか布団が干せずに、布団乾燥機の使用となるわけですが、 注意していただきたいのは、どういう環境下で使うかです。 例えば、布団乾燥機をかけて布団の湿気をとった場合、その湿気をどうするか。 閉め切った部屋で乾燥機を使えば、布団の中の水分は暖められて部屋の天井に向かって 出ていくのでしょうけど、そのうち気温が下がればまた、どこかに吸収されることになります。やはり、使用後に空気を入れ換える事が重要だと思います。 最近の布団乾燥機にはダニ処理の行程があるものが増えてきましたが、入江建久氏(信州大学教育学部)によると、約10機種の布団乾燥機の調査を行い、平均のダニ減少率は 45〜85%、その実力には差があるようです。 また、ダニは高温・乾燥が嫌いですから、布団乾燥機をかけると端っこの低温部に 逃げるため、布団乾燥機のダニ処理機能を十分機能させるには、出来るだけ高温の時間が持続するように処理するのが良いでしょう。 もちろん、その後に次の処理をお忘れなく。 |
普通の家庭用電気 掃除機でダニ退治は充分 |
佐々木聖氏(大阪医科大学)の研究によると、ダニを最も有効に寝室から除去するには、市販の電気掃除機でダニフィルターの付いた紙パック式の、吸い込み仕事率210W以上のものを使って1平方メートル当たり20秒以上かけて吸引することだそうです。 このやり方で2週間に1回のペースで布団の掃除をすると、1〜2ヶ月後にはチリダニが1平方メートルあたり100匹以下になって、喘息の児童が発作を起こさなくなったそうです。氏は、この1平方メートルあたり100匹と言う数字を、喘息発作を阻止できる基準値だとしています。 また氏は、喘息発作を起こすチリダニの糞と死骸の中に含まれる、実際にアレルギーを起こす成分が、ホコリ1グラムに2マイクログラム以上あるとチリダニへの過敏症状が出来てくるとも言っています。 また10マイクログラム(生きているチリダニ100匹に相当)以上に なると、喘息発作を引き起こすそうで、これが先程の”1平方メートルあたり100匹以下”にするとう根拠になっています。 ただ、注意することは、掃除機の紙パックにダニフィルター機能(ダニを通さない)があっても、ダニの排泄物や死骸の粉は非常に小さいので、排気口からも幾らかは出ているでしょう。 ですから、部屋の換気しながら掃除をした方がいいのは言うまでもありません。 布団の掃除は、出来れば干して暑くなっている時に、先程の布団専用のノズルを付けて吸いましょう。布団を干すと、乾燥してダニが住みにくくなりますが、ギュッと詰まっていた布団がフワッとなって、逆に布団内部のダニの糞や死骸の粉が外へ出やすくなるので、大抵の場合、布団を干した日には鼻アレルギーや喘息が悪化するようです。 |
ホットカーペットの場合 |
それから最近流行のホットカーペットですが、これも入江氏(前述)が実験をされています。それによると、室温15度でホットカーペットの表面温度が27〜45度になり、一番暖かい中央部ではダニが2時間後に90〜100%死亡するほどなのだそうですが、隅のほうになると、残念ながらその死亡率は40〜50%程度だったそうです。これも、ダニの死骸の処理が必要ですね。 |
防ダニ布団と布団の丸洗い |
防ダニ布団というものもありますが、基本的に殺ダニ剤やダニ忌避剤などの薬品を使っているものは、その効果は一時的なものです。ダニが通り抜けられないほど細かく繊維を編んでいる防ダニ布団カバーの効果は、認められています。 しかし、これを買っておけば充分と言うわけでなく、やはりアレルギーの原因となるチリダニを減少させる事も怠ってはいけません。ダニは布団だけにいるのでなく、寝室の畳や押入の中にもいるでしょうから。 ダニの殺虫剤などはいろいろありますが、その効果は概ね1ヶ月程度と思っていた方が良いでしょう。例え、殺虫剤でダニが死んだとしても、その死骸を除去しないとアレルギー予防の点では効果が少ないでしょう。 しかも、そういう薬も何らかの形で、人体に吸収される可能性があります。出来るだけ、殺虫剤を使わないで物理的(日光に干したり、乾燥させたりという)な方法でダニを退治するようにしましょう。 |
空気清浄機で注意すること |
空気清浄機についても入江氏の実験によると、布団敷きをしてたくさんのホコリを舞い上がらせておいて、空気清浄機を使用すると5〜10μm位の大きさの粒子は、2〜3分で1/10〜1/20に減りますが、設置場所に問題があると10分で1/3程度しか減らなかったそうです。 また、カビなどは空中に浮遊する性質があるため、空気清浄機の位置や風量を変えてもほとんど減らないのだそうです。ですから、空気清浄機を有効に利用するためには、吹き出てくるきれいな空気を呼吸できるような設置が必要のようです。 |
エアコンを使うときの注意 |
それから、夏になるとどうしても高温多湿の日本ではエアコンが必需品となりますが、これにも注意が必要です。私の勤務先でも、暑くなるとエアコンが作動しますが、この試運転から1〜2週間はとってもつらい外来となります。エアコンの吹き出し口が私の背中に向けられているため、ホコリやカビを多く含んだ風が大量に当たり、クシャミと鼻水を かみながらの診療で、患者さんからは「先生も風邪引くんだね」と気の毒がられます。 どうも使いはじめは、良く換気をして使う必要があるようです。この使い始めの風の中にはたくさんのカビが含まれているようで、どうもコイルの中で増えているようです。いくらフィルターを付けていても、カビの粒子は小さいので、このフィルターを通り抜けてしまって効果はないでしょう。 それなら、毎日エアコンの使いはじめの20〜30分は、換気を良くして吸わないように するのも有効かと思います。使用頻度にもよるでしょうが、エアコンを使っているとフィルターにホコリが付着します。そのまま、使用するとフィルターに溜まったホコリがまた、室内に吹き付けられてしまいます。 ホコリとその中にいるチリダニをまき散らすのを避けるためにも、2週間に1度はフィルターを掃除をしましょう。 |
ダニアレルギーをもっている方にはペットは厳禁! |
ペットの毛自体にアレルギーをもつ場合もありますが、それよりペットの住む環境がダニの発生を異常に増やすことになります。 |
関連サイトへのリンク |
屋内塵中のダニについて(図鑑) |