10月に水痘と成人用肺炎球菌、定期に [2014年01月24日(金)]
厚労省、早ければ10月に施行も水痘と成人用肺炎球菌ワクチン、定期接種化へ
2014/1/16

 厚生労働省は1月15日、第4回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会を開催し、2014年度中に水痘と成人用肺炎球菌の2ワクチンを定期接種化することを決めた。早ければ4月に予防接種法の政省令の改正が進められ、10月に施行される。水痘ワクチンは集団予防を図る目的でA類疾病に、成人用肺炎球菌ワクチンは個人予防目的としてB類疾病とされた。

 水痘ワクチンは、生後12カ月から36カ月を対象年齢とし、乾燥弱毒生水痘ワクチンを3カ月以上の間隔をあけて2回皮下に接種する。接種量は毎回0.5mL。すでに水痘に罹患した子どもは対象外となる。また、すでに任意で接種していた場合は、その回数分の接種を受けたと見なされる。

 2014年度は経過措置として、生後36カ月から60カ月の間の子どもも、1回の接種が対象に含まれる。

 成人用肺炎球菌ワクチンの接種対象者は、65歳とされた。また、60歳以上で心臓、腎臓、呼吸器の機能やヒト免疫不全ウイルス(HIV)により、免疫機能に障害のある人も対象となる。

 接種するのは、23価の莢膜ポリサッカライドワクチン(PPV)で、筋肉内か皮下に1回注射する。経過措置として、2014年度〜2018年度までは、70歳、75歳、80歳…と5歳刻みに接種の対象とする方針だ。

 同分科会では、10月に定期接種化することに対し、医療機関ではインフルエンザワクチンの接種が優先されるため、水痘ワクチンの接種が始まっても「実際に子どもが接種できる期間は1〜3月と短い」などと意見が出された。

 成人用肺炎球菌ワクチンについては、B類疾病とされたため「自治体の財政を圧迫する」「助成事業を実施するかどうか、自治体によって差がでる」などの意見が挙げられた。

 なお、おたふくかぜ、B型肝炎、ロタウイルスワクチンについては、「引き続き検討する」とされ、定期接種化は見送られた。