ノロウイルス、流行の兆し 手洗い徹底で予防呼びかけ
【土肥修一】ノロウイルスなど感染性胃腸炎が流行の兆しを見せている。国立感染症研究所によると、全国3千カ所の小児科で確認された患者は先月下旬ごろから増え始め、最新の1週間(11〜17日)で1カ所当たり平均5・74人。前の週から4割増えた。例年、年末にかけてピークとなるため、専門家は手洗いなど予防を呼びかけている。
感染研によると、大流行した昨年に比べ少ないが、宮崎17・00、熊本10・72、福岡10・21、大分9・22、佐賀7・61などの九州地方で特に多く、福井9・36、愛媛8・54、富山8・07、広島7・61、兵庫7・19、東京7・08などと全国的に増える傾向にある。
先月、札幌市内の幼稚園で園児140人と職員6人がノロウイルスによる感染性胃腸炎に集団感染。今月は埼玉県内の大学の学食で食事をした146人が発症し、横浜市のホテルの宴会場利用者181人が下痢などを訴え、患者からノロウイルスが検出された。
ノロウイルスは発症すると吐き気や嘔吐(おうと)、下痢などを起こし、脱水症状になることもある。免疫力の低い子どもや高齢者は重症化しやすい。ウイルスは吐いた物や便から広まり、保育園や幼稚園、老人ホームなどでの集団発生が多い。感染研ウイルス第二部の片山和彦室長は「食事や調理の前、トイレの後などにしっかりと手洗いをして予防を徹底してほしい」と話している。
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