模式図(頭の縦断面)
CT(頭の横断面)
CT所見
硬膜外血腫

・限局した凸レンズ状の高吸収域(白くなる)

・血腫による脳実質の圧迫は比較的軽度

・大部分が硬膜動脈の破綻によって発生

・骨折を高頻度に合併(90%)

硬膜下血腫
(急性・慢性)

・比較的広範囲にわたり脳表を覆い、脳表に対して凹の鎌状の形態を示す

・急性期では高吸収、亜急性期には等〜低吸収となる

・比較的ゆっくり完成し、数日後に強う脳実質の圧迫を起こすことがある。

・比較的高齢者に多い

・15%が両側性

・脳と等吸収を呈し、しかも両側性の慢性硬膜下血腫の場合には診断に注意

クモ膜下出血
・クモ膜下腔に出血による高吸収域を認める
脳内出血
・脳実質内に高吸収域と、その周囲に浮腫による低吸収域が認められる
脳挫傷

・前頭極や側頭葉前部に多い

・低吸収の中に高吸収の入り交じった不均一な像を呈する(salt and pepper)

・受傷部の反対側に対側脳損傷(coutre-coup injury)が起こることがある

・クモ膜下出血を伴うことも

(右側頭部への受傷直後のCT1aでは左側頭葉の腫大と低吸収を認め、coutre-coup injuryによる脳挫傷の所見。テント右に高吸収域もありテント上の硬膜下血腫の合併が疑われる。
受傷2日後のCT1bでは左側頭葉には脳内血腫の形成があり右側頭葉内には脳挫傷と小出血による低吸収と小さな高吸収が見られる。テントに沿った高吸収もある。)