帯状疱疹

どんな病気?

 昔、水痘にかかったことのある人が風邪などで一時的に免疫力が落ちたときに発病します。これは水痘・帯状疱疹ウイルスという病原体が水痘のさいに知覚神経節に感染し、その後長く潜伏していたものが、ヒトの免疫力の低下とともに再び活性化してきたために起こるものなのです。

 症状としては片側性に神経痛様の疼痛を生じ、数日後同じ神経支配領域に小水疱が集簇性に出現ます。のち膿疱、びらん、時に潰瘍となり通常2‐3週間で治ります。免疫の低下している患者さんではしばしば小水疱が全身に播種します。(汎発型)また老人では時に皮疹消退後も神経痛が長期間続きます(疱疹後神経痛)。

予防は?

 免疫の低下が、再発の誘因になりますから、普段からなるべく心身の疲労が重ならないように注意して下さい。

治療は?

 急性期には抗ウイルス薬(ゾビラックス)の病初期よりの投与、疼痛対策、局所外用療法が、疱疹後神経痛の時期には疼痛対策が主体となります。また、急性期には心身の安静も大切です。

●抗ウイルス薬

  ゾビラックス(400mg) 10錠 分5  5〜7日間
         または
  バルトレックス(500mg) 6錠  分3  5〜7日間

●疼痛対策、末梢神経障害に対して 通常は鎮痛薬、ビタミンB製剤を併用し、疼痛の激しい例では抗うつ薬の投与や神経ブロックを行うこともあります。

 外用薬として、病初期の発赤腫脹には冷湿布を行い、潰瘍部には皮膚潰瘍治療薬、亜鉛華単軟膏などを塗布したりします。

 水疱からの接触感染以外、通常は感染の可能性は少ないのでご安心下さい。発疹が軽快した後も痛みが残ることがあることしばしばありますが(特に高齢者に多い)多くは1ヶ月以内に治ります。

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