みずぼうそう(水痘)

どんな病気?

●原因  水痘・帯状疱疹ウイルスの飛沫および接触感染によって感染します。潜伏期間は2〜3週間(平均15日)で,感染力は強く予防接種をしなければ95〜98%の人が子どものうちに感染します。

●症状  水をもった赤い発疹が,口の中から陰部,頭の中まで全身に出ます。発疹は2〜3日でピークとなり,その後乾いて黒いかさぶたになります。

平均して1週間ぐらいでよくなります。かさぶたがとれて白っぽい跡が数カ月から数年残りますが,その後きれいになります。

●合併症  掻きつぶしたことによる細菌感染(化膿)が主なものです。脳炎などの合併症は稀です。免疫不全状態にある子の場合重症化しやすいので注意が必要です。

帯状疱疹は同じウイルスが再活性化したためにおこる病気ですが、主に中年以降に多く子どもでは稀です。妊娠末期に妊婦さんがかかると赤ちゃんに感染して重症化しますので注意が必要です。

●家庭で気をつけること

1.かゆいけど:ひっかいてかきこわさないよう爪は短くしておきましょう。赤ちゃんなら手袋をするのもひとつの手です。

2.お風呂:お風呂やシャワーでさっと汗を流しておくほうが、かゆみも少なく、化膿することも少ないものです。

3.食べ物:口の中にできると痛いので、しみるもの(塩辛いもの、すっぱいもの)はいやがるでしょう。とくに食べてはいけないものはありません。

●こんなときはもう一度診察を

1.発疹が赤くはれて化膿したとき。

2.ぼんやり,ぐったり,元気がないとき。

3.4日以上熱が続くとき。

●保育所・学校  

 みずぼうそうになったことを先生に連絡しておきましょう。1週間ぐらいたって,ブツブツが全部かさぶたになったら行ってかまいません。治ったことの確認が必要な場合はそのころに受診して下さい。

予防は?

●予防接種  水痘の予防接種は任意接種です(自費).希望者は1歳を過ぎればいつでも接種できますので、できれば保育園や幼稚園に入る前に済ませておいた方が良いでしょう。きょうだいや両親にうつるのを防ぐために、72時間以内に急いで予防注射をするという方法もあります。注射のタイミングや成功率についてはご相談ください。

治療は?

●治療  かゆみどめの白いぬりぐすりと飲みぐすりを処方します。

化膿したときには抗生剤入りの軟膏や飲みぐすりを処方することがあります。

☆ゾビラックス顆粒  この薬はヘルペスウイルスの仲間に効く抗ウイルス剤で、10年以上前から注射で使われており子どもにも安全でよく効く薬ですが、1994年より水ぼうそうの子にも飲み薬が使えるようになりました。発疹が出て1〜2日目までに治療しはじめれば、発疹の数、発熱期間、かさぶたになって治るまでの期間がいずれも少なくてすみます。全員にお勧めしているわけではありませんが、希望があればどの子でも使って構わないと思います。使う場合は,1日4回で5日間のむことを原則とします。

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