アトピーってなぁに?

Q よく「アトピー」という言葉を聞きますがどういう意味ですか?

A アトピーという言葉は、起源をたどると1923年に米国のコカという学者が提唱したものです。彼は、アレルギーの中で、花粉症、アレルギー性鼻炎、喘息、じんましん、食物アレルギーなどの一群の病気が、確かに特定の抗原とそれに対応する抗体との反応(いわゆるアレルギー反応)で発病するにしても、遺伝的な体質が強く関与していることを重視しました。アトピーとはギリシア語に由来し、英語では「奇妙な」という意味です。当時、抗体が関与していると思われるもののそれが見つからず、しかも遺伝的な体質が深く関与しているため「奇妙な病気」と映ったのですね。
ところが、原因抗原と反応する抗体であるIgEが発見され、アレルギー機序の詳細が明らかにされた現在では、アトピーの特徴をまとめると次のようになります。
@ 遺伝性で、家族内にいろいろなアレルギー疾患をもつ人がいる。
A 子どものうちに発病し、同時にいくつかのアレルギー疾患を合併していることが多い。
B 血液中のIgE値が高い。
C アレルギー皮膚反応が陽性に出る。
D 血液中と分泌物中の好酸球が増える。

Q アレルギーの病気は増えていますか?
A 私たちの生活環境や食生活の欧米化、空気の汚染などが原因で、この20年くらいの間にアトピー性皮膚炎、喘息ともに3〜5倍に増加したと言われています。
Q アレルギー・マーチ(アレルギーの行進)とは何ですか?

A アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患の多くは、いわゆるアトピー素因をもつ人に発症することは先に述べましたが、一人一人の人を詳しく観察すると、原因(これを抗原といいます)と発症年令を異にして、異なる症状が次から次へと出現することがわかります。
 このように、いくつかのアAアトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患の多くは、いわゆるアトピー素因をもつ人に発症することは先に述べましたが、一人一人の人を詳しく観察すると、原因(これを抗原といいます)と発症年令を異にして、異なる症状が次から次へと出現することがわかります。
 このように、いくつかのアレルギー疾患が同一の人に次から次へと出現する現象をアレルギー・マーチと呼んでいるわけです。
 そもそも、これらのアレルギー疾患はアトピー素因を持つ人が抗原の侵入によって感作(アレルギーを起こす準備のこと)され、さらに同一抗原の再侵入によって発症しますが、今日ではすでに胎性期の早い時期に母体を通して胎児が感作されることが明らかになっています。ですからアレルギー・マーチはすでに胎性期から始まっているわけです。レルギー疾患が同一の人に次から次へと出現する現象をアレルギー・マーチと呼んでいるわけです。
 そもそも、これらのアレルギー疾患はアトピー素因を持つ人が抗原の侵入によって感作(アレルギーを起こす準備のこと)され、さらに同一抗原の再侵入によって発症しますが、今日ではすでに胎性期の早い時期に母体を通して胎児が感作されることが明らかになっています。ですからアレルギー・マーチはすでに胎性期から始まっているわけです。

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Q 出生後、アレルギー・マーチはどのように進んでいくのでしょうか?
A 口からは牛乳、さらに離乳食として与えられる鶏卵などによって絶え間なく感作が行われます。また、母乳の場合には おかあさんの食べた食べ物により母乳を介しての感作も成立します。また呼吸器では家の中の埃やダニによって感作が成立します。
 臨床症状として最初に出現する症状としては消化器症状(下痢、腹痛)のことが多く、それにやや遅れて皮膚症状が現れます。アトピー性皮膚炎の90%は満2才までに発病します。一方喘息は1才前後から喘鳴が始まり、やがて呼吸困難を伴う典型的な発作となります。その後発作を繰り返しながら思春期まで続くことが多いのです。
 アレルギー性鼻炎は学童期以降に初発することが多いのですが、最近は低年令で発病する人が多くなっています。
Q アトピー性疾患の原因は年令によって違うのですか?
A 乳児では卵または牛乳のアレルギーを持つ人(発疹、嘔吐、下痢、喘鳴症状を血液検査で確認)は全体の5%程度と考えられています。乳児期も後半になるとこれにダニが加わります。年令が進むにつれて、吸入性抗原(ダニや花粉、ハウスダスト)が関係してきます。
Q アトピー性疾患の検査法について教えて下さい。
A アトピー性皮膚炎では、血液検査や皮膚反応の検査が行われ、どんな物質がアレルギー反応を示しているか調べます。しかし、単独の検査でアレルゲンが決定されることはなく、問診や食物日記やいろいろな検査の結果を総合して診断します。
まずは問診で  
 どんなときに症状が出たか、どんなものを食べたかなどを質問しながら疑わしいアレルゲンをさぐっていきます。アトピー性皮膚炎では、問診は特に重要で後に述べます血液検査や皮膚反応テストで陽性と出ても、特定のアレルゲンに対して抗体を作りやすいというだけで、症状を起こしている原因かどうかは決定づけられません。問診の結果と照らし合わせてアレルゲンを探していくことになります。
アトピー体質かを調べる血液検査
 IgE抗体を作りやすい体質がアトピー体質です。したがって、アトピー体質の人の血液中のIgE抗体は、普通の人より多くなっています。そこで、血液中のIgE抗体の総量を調べる検査を行います。
 またアレルギー反応が起こると白血球の一種である好酸球が増加しますので、血液中の好酸球の数を調べると、体の中でアレルギー反応が起こっているかどうかがわかります。
アレルゲンが何かを調べる血液検査
 何がアレルゲンになっているかを調べる検査として、ラスト法やマスト法皮膚テストがあります。
ラスト法は特異的IgE抗体を測定する方法で点数が高い場合は原因アレルゲンと考えることができます。ただし、アレルゲンの種類によっては偽陰性になる場合もあるため皮膚テストや問診などを参考にする必要があります。
 マスト法はより多くのアレルゲンを一度に検査でき便利です。
 皮膚テストのうちスクラッチテストは、即時型アレルギーをみる検査で軽く傷をつけた腕の皮膚に何種類かのアレルゲンエキスを滴下して反応をみるものです。吸入性アレルゲン(ハウスダスト、花粉、カビ、動物の毛など)では、大変参考になりますが、食物アレルギーの場合は信頼性は高くありません。他に皮内反応テストやパッチテストなどもあります。