アトピー性皮膚炎といわれたら | |
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![]() 生まれて1ヶ月から3ヶ月頃に生じる顔面の湿疹の一部のものはアトピー性皮膚炎ですが、脂漏性湿疹や接触性皮膚炎、汗もなど他の湿疹もあります。ですからこの頃の湿疹をアトピー性皮膚炎と診断するのは慎重でなければなりません。それは、何年も続くこの病気との戦いの幕開けとなるに他ならないからです。 アトピー性皮膚炎はある程度治療を続けながら経過を見ていくと徐々に再発しなくなり、ついには消失して治っていきます。小学校入学時には3人に1人の割で軽快し10才くらいには半分、16才頃には90%が軽快します。しかしその反面、あとの10%は大人にまで持ち越してしまいます。 |
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まずは、かゆみなどの症状を抑えるのが治療の第一歩です。アトピー性皮膚炎では、一番つらいのが「かゆみ」です。あまりにかゆくて、ついつい掻きむしってしまいますが、掻くと皮膚の組織が壊され、症状がどんどん悪化してしまいます。これを防ぐ意味で外用剤(塗り薬)をつけたり、かゆみ止めの飲み薬(抗ヒスタミン剤)を飲みます。
アトピー性皮膚炎の原因がはっきりした場合は、何といっても原因療法が必要です。
乳児期の食事アレルギーが原因なら、そのアレルギーを起こす原因となる食事(卵白、牛乳、大豆など)を赤ちゃんに与えないようにしましょう。(除去食と代替品 ⇒ クリック) 完全に除去するかどうかは、赤ちゃんの症状によって決めます。程度が軽ければ量を減らしたり、加工食品ならOKのこともありますので、医師に相談して下さい。完全除去の場合に大事なことは、赤ちゃんが栄養不足にならないように十分気をつけることです。最近はアレルギー用食品が簡単に手にはいるようになりました。→ 群馬大学前薬局(〒371 群馬県前橋市昭和町3-11-13 TEL 0272-31-9635) またミルクアレルギーがはっきりしている場合はMA-1ミルクなどを使用します。 除去食療法を続けながら、症状の出方がだんだん軽くなっているかどうかをチェックする一方、半年に一度くらいのわりで血液検査を受けましょう。その結果、もう食べても大丈夫と医師にいわれれば加工したものから少しずつ食べさせ始めます。
生後半年を過ぎると、食事アレルギーに加えてダニも原因や悪化因子になっている場合が多いのでダニ駆除は必須です。
またアレルギーがはっきりしている場合に限り、抗アレルギー剤を使用します。
また漢方薬も有効な場合があります。しかしかゆみや湿疹をただちに抑える力はなく、ステロイド剤で症状を抑えた後、補助的な治療法として用いられることがあります。ただし世間一般に「漢方薬は副作用がないから安心」といわれますが、これは間違いで、アレルギー性の副作用として湿疹がよく起こりますから注意して下さい。
また最近の新しい試みとして食用油で体質改善をする方法が研究され、ある程度の成果が出てきています。これはリノール酸を過剰にとりすぎる一方α-リノレン酸摂取が不足しているためアレルギー症状が出現してくるという考え方で、このためリノール酸の摂取を控え、α-リノレン酸を積極的にとる食事療法を行います。
何とかして治したいという切実な気持ちから民間療法にすがる場合もあるようですが、これらがはたして有効なのか無効なのか私にはわかりません。ただアトピー性皮膚炎を専門とする多くの科学者が多大な労力をかけてもまだ確立できない治療法を、そう簡単に発見できるとは思いません。大変高価な「くすり」を購入されておられる方をみますと私たち医師の無力さを実感します。 |
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アトピー性皮膚炎の軟膏の正しい塗り方 ⇒ クリック してね! ( 写真入りで、くわしく載ってますよ。ぜひ見て下さい。)
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「えっ! それでは副作用が出るのですね。」 などという言葉が即座に返ってきます。皮膚科さんでは 多くの皮膚治療にステロイドが使用されますから、お母さん方の頭っからのステロイド恐怖症のために十分な治療ができないと嘆いておられます。最近、金大の皮膚科教授の「アトピービジネス」という本が出たのをご存知のお母さん方も多いでしょう。 ステロイド外用剤を長期に連用するときの副作用について述べてみましょう。 顔に塗ったときは、ほっぺの毛細血管が目立つようになることと、ときに皮膚が少し萎縮してしわしわになります。これを避けるため顔は控えめなお薬にしています。 体では、バイ菌感染(たとえば「とびひ」)の皮膚に知らずに塗ったりすると、バイ菌感染がひどくなります。カビのはえた所(主におむつのあたっている殿部、外陰部)に塗るとカビがパッと広がり「おむつかぶれ」がひどくなったとあわてて受診されることはよくあります。 また何年も長期に塗ると少し体毛が濃くなるようです。色素沈着(皮膚が黒くなる)を起こすとも言われていますが、アトピー性皮膚炎の治療をしないで放置しておくと慢性の炎症が続いて、とてもひどい色素沈着を起こしますので、これに比べるとステロイドの影響は微々たるものと考えていいでしょう。 以上述べました、いずれの副作用も薬をやめれば治るものですし、重篤なものではありません。 |
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![]() このため1才過ぎ、遅くとも3〜5才頃には制限が解除できることが多いのです。 |
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![]() @ バランスよく食べる。栄養があるからと同じものばかり食べてはいけません。今日は、鶏肉なら、明日は魚、次は牛肉と、同じタンパク質でもいろいろな食品をとるようにしましょう。 A 牛乳は赤ちゃんやお母さん自身のカルシウムをとるために大切なものですが、がぶ飲みはいけません。最近はお母さん用のペプチドミルク、例えば森永乳業の「Eお母さん」などが出てきましたのでこれを使われるといいと思います。 B 卵はなるべく食べないでください。 C インスタント食品は食べないでください。 いざ、かわいい赤ちゃんが産まれてきたら、何としてもアトピーにはしたくないもの。この頃は、ミルク(牛乳)アレルギーが問題になりやすいので、これを避けるためにできるだけ母乳で育てた方がよいでしょう。このときも@〜Cの注意は必要です。もしも人工ミルクを使われるのでしたら牛乳タンパク質を消化して吸収しやすくしてあるペプチドミルク、例えば「E赤ちゃん」がいいでしょう。ただし、すでにミルクアレルギーのIgE抗体ができている場合は「MA-1ミルク」のような特殊ミルクに変更する必要があります。 |
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![]() 残念ながら、現在のところ、その発症メカニズムはわかっておりません。皮脂や発汗、血管反応などの皮膚生理機能の異常がしばしば見られ、皮膚の細菌叢も皮膚炎の増悪因子になります。また掻くことにより皮膚症状が悪化するなどの諸因子がありますが決め手は見つかっておりません。このような方には、外用剤の塗布と同時に皮膚炎を悪化させる要因を生活環境の中からいかに減少させるかという点が治療の中心となります。 |