インフルエンザ治療は大きな進歩!(^o^)
とは言え・・・。(^_^;) (内服薬および吸入薬)
イナビル(吸入薬):
医療機関での1回の吸入だけでインフルエンザA型にもB型(B型は効きが悪いです。)に持続的に効きます。適応の年令は特に決められていませんが、4才以下ではなかなかうまく吸ってくれません。
リレンザ(吸入薬):
インフルエンザA型にもB型(やはりB型には効きが悪いです。)にも効きます。 ただし5才以上が保険適応です。
タミフル(内服薬):インフルエンザA型にもB型にも効きます。ただしA型には著効を示しますが、B型にはあまり効きません。小児用のドライシロップも2004年冬から販売されていますが、量が多いのと味がとても苦いです。(^_^;) 副作用を懸念して1才前の乳児では使用を控えるようとのメーカーの要望があります。また妊娠女性の服用の是非については使用経験がなく今のところ不明とのことです。
2005年秋、話題になった「タミフル服用後の小児インフルエンザ患者さんの死亡」・・・
医薬ビジランスセンター 浜 六郎 氏は、2005年10月に三重県で開催された小児感染症学会で「異常行動・突然死はタミフルの副作用」と決めつけて報告され、それがマスコミにのり、お母さま方の耳にも入っていることと思います。
これに対しては、2005年11月福井県で開催された小児アレルギー学会の特別講演で、森島恒雄教授(岡山大学小児科・ウイルス脳炎の専門家)は、@インフルエンザ罹患時の異常行動は、タミフルの発売以前から、インフルエンザ脳症の初発症状として数多く報告されている。Aタミフルがあまり使われていない米国でも2003/04シーズンにインフルエンザに伴う小児の突然死が社会問題となった。Bそもそもインフルエンザは軽い病気ではなく、幼児死亡は多い・・・以上を3点をあげて冷静な対応を呼びかけています。ただし、日本でも引き続き学会レベルでタミフルの副作用の有無を科学的に検討する必要性も述べておられます。
太田の私見ですが、医薬ビジランスセンター 浜 氏には、われわれの常識と思われていることに、あえて一石を投じ、真実を見極めたいという態度が見られ、興味を覚える一方、@タミフルとの因果関係が薄弱、Aインフルエンザを「ただの風邪。何もしないで寝ているに限る。」というような発言もしておられ、一般の方を相当 混乱に陥れているような印象を持ちます。またタミフルで、たくさんの方の命が救われたという事実を無視しておられるような気がします。
2007/08年冬においても、厚労省は、タミフルと意識障害との因果関係を明確に結論づけておらず、本年も10代のお子さんには使用しないようにと我々に通達してきております。10才未満と20代以上は使用可能です。
「タミフルによる転落死」に関するテレビ報道を見て、ご心配なご父兄の方も多々おられると思いますので、吸入ができる年令では、なるべくリレンザを使用したいと思っています。ただし5才未満の吸入ができないお子さまでは、相談の上、タミフルを使用せざるを得ない局面にも多々遭遇すると思われます。
シンメトレル(内服薬):10年ほど前より使用可能。安くて飲みやすいのが魅力。インフルエンザA型に効果がありましたが、耐性ウイルスを誘導しやすいことと小児では精神症状(幻覚など)がでる場合があります。またB型には効きません。タミフルが出てからは、ほとんど使用されなくなっています。
(対症療法)
熱を下げたり、節々の痛みをとるために解熱鎮痛剤を飲むことがあります。ただし乳幼児では、今のところ脳炎との関連性からアセトアミノフェン(商品名アンヒバ坐薬、カロナール内服薬、コカール内服薬など)の使用が推奨されています。
温かくして安静にさせ、氷枕などで冷やします。十分な水分補給と、消化のよい食事を心がけましょう。
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